冥契のルペルカリア

ウグイスカグラ

どんなエロゲー?

「愛憎」というテーマで作られたちょっと重い内容のエロゲー。特に妹モノ好きの人にとっては受け入れられない現実に心を痛めてしまうかもしれません。それ故に人を選ぶ作品ともいえますが、ストーリー構成や伏線回収などがしっかりと構築されており、演劇という舞台を通して人の「愛憎」模様をこれでもかという程に魅せつけてくれます。そんな感情を受け切る事ができるかどうか…万人受けはせずとも心には確実に残る内容となっています。

作品名 冥契のルペルカリア
ブランド ウグイスカグラ
原画 桐葉 シナリオ ルクル
ジャンル ADV 体験版・デモ あり

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あらすじ・概要(公式)

「神々と肩を並べるには、たった一つのやり方しかない。神々と同じように、残酷になることだ」Salvador Dali

若くしてこの世を去った天才女優。
ある種の伝説的な存在となった彼女は、壮絶なる演劇の果てに一つの真実を得た。

月日は経過し、春が訪れる。
主人公・瀬和環は、新入生歓迎会にてとある演目を目にすることになる。

「劇団ランビリスへようこそ!」

ゲリラ的に開催された、学生劇団による突発公演。
かつて、天才子役としてデビューしながら、演劇の道を断った主人公は、懐かしい思い出に駆られていた。

「ちょっと、見に行こうぜ」

野次馬根性から始まる、不条理の物語。
幕を開けた物語は、終わりを迎えるまで止まることはないのだろう。

芝居を愛する天然少女、架橋琥珀。
演劇の申し子、匂宮めぐり。
人気急上昇中のネットアイドル、天使奈々。
役者を諦めた裏方少女、箱鳥理世。

「最高の演劇にしよう!」

彼らが掲げるは、北欧神話をモチーフとした舞台’フィリア’公演。
まばゆいスポットライトを浴びながら、物語の上で踊る彼女らは美しい。

白髪赤目が導いてくれる。
君にとっての、都合のいい結末を――。

ポジティブレビュー

レビュー1

この物語では主人公はどちらかというと裏方の役割が多く、メインはヒロインやサブキャラクターたちの物語の方が多いです。何なら主人公にはコンプレックスがあってまともに演劇が出来ません。それでも演劇に関わろうとする環君ですが、やはり努力ではどうにもならない不条理や世の中の非情さに辛くなってきます。しかしそれを含めて作品ですので自分と重ねるのも大事ですが観測者として遊んで欲しいかなと思います。

レビュー1

このシナリオは様々な古典から借りてきているものが多く、読み解くのが大変である。最初に演じられる『ハムレット』はきっと、劇団ランビリスのストーリーを読み解くのに必須だろう。フィリア公演は『マクベス』と「北欧神話」を合わせたようなもの。各キャラクターのストーリーにあてがわれた役の物語が呼応する。天使奈々菜√では『テンペスト』が入り込み、匂宮めぐり√では『星の王子様』と宮沢賢治の作品が響き渡る。そして、瀬和未来の『カリギュラ』。不条理演劇故に、作品の持つテーマと密接に関わっている。

レビュー1

虚構世界で自信と自らの軸を獲得したヒロインたちが、それぞれ現実に立ち向かう様も物語を終えるためのプロット通りに立ち直っているだけの操り人形のように見えてしまって・・・かろうじて全員生き残ったヒロインたちが前へと歩み始めるラストを(いつの間にかめぐりが主人公みたい!)。遠くから冷めた感情で見つめる、寂しい読了となってしまいました。この作品をプレイして、演技をちゃんと聴かないのは本当にもったいない。萌えゲーではありませんが、完全に声ゲーです。

レビュー2

私はかなり引き込まれたが、本心を描いた黒い描写が多く、かなり敷居の高い作品であることは間違いがない。声優の迫真の演技にかなり引き込まれる。作中の演劇の演技はすごかった。どこぞの誰の感想でもないが、本当に「すごい」としか言えない。

レビュー3

作品内には文学や詩からの引用も多く、ライターさんの文章力も加わり、知的で幻想的な世界が描かれています。全体を通してままならぬ世界で辛い経験をしても懸命に生きようとするヒロイン達の姿には胸打たれました。是非プレイしてもらいたい作品です。

考察

シナリオが良いという意味では本作を超えるエロゲはなかなか存在しないのではないだろうか。シナリオを構築する上での知識量を遺憾なく発揮されたシナリオライターのルクル氏は素晴らしい、そして天才的だとしか言いようがない。
そのくらい「作り込まれたシナリオ」がプレイヤーを魅了しているのである。そしてもう1つは声優陣の「熱意」を感じさせる事。萌え風味なタッチで見せる点は「萌えゲー」として捉えがちではあるが中身・本質は「演技」による「声ゲー」ともいえる。
エロゲーだからといって舐めないで欲しい。声優としてプロとしての魂を感じることのできる名作である。

ネガティブレビュー

全体を通してみてみると、ただ単に暗いだけだったなという感想。個別√の結論ありきのあからさまな展開と短さは物語を放棄しているように思えた。

感覚としては、アニメギルティクラウン最終回がコードギアスオマージュになってしまい、その後の展開どころか作品そのものへの興味興奮が失せてしまった状況ととても良く似てました。

ダークな妹モノ。共通√はいまいち。共通√は不満を覚えることも多い。個別√も心理描写の割合が多く話自体に動きが少ない。

考察

本作を表面でのみ見れば「萌え系」「妹ゲー」という分類になるかもしれない。が、中身は「ダーク」「鬱」という表現がふさわしいくらいに「暗い」物語ともいえる。
そういった意味では正直「人を選ぶ」ともいえるだろう。期待していた「萌え」「妹」があるとすればその期待とは逆の方向へと感情が行くことが予想される。

総評

展開としては正直万人受けするか怪しいくらいに「暗く」「鬱」な展開をみせつけてくる。それを良しとするか無理であるかはプレイヤーの「好み」の部分ともいえるのでなんともいえない。
ただしシナリオ展開、世界観は紛れもなく練りに練り込まれたエロゲであり、苦手でないのであれば一気に「冥契のルペルカリア」の世界に引き込まれることだろう。体験版もあるのでまずはそちらで肌さわりを確認するのが一番かなっと思う。
もちろんプレイする際は「音声あり」でプレイしてほしい。

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