どんなエロゲー?
キャラゲーを語るならばやはり本作「ハミダシクリエイティブ」は切っても切れない存在でしょう。メインヒロインは4人ですがどの方もクリエイティブなお仕事をしているヒロイン。ちなみにエロ面に関しても中々力を入れているかなっと感じさせる場面もあり良いです。
作品名 | ハミダシクリエイティブ | ||
ブランド | まどそふと | ||
原画 | 宇都宮つみれ | シナリオ | 甲木順之助 |
ジャンル | 学園に来ない女子と見過ごしがちな青春を探す学園恋愛ADV | 体験版・デモ | あり |
季節が足踏みする、6月の末。
自他共に認める陰キャ、和泉 智宏(いずみともひろ)は、
今日も教室の片隅で、平穏な一日を過ごしていく……
はずだった。
「当選おめでとー!
とりま次の生徒会長は
和泉クンにけってー!」
学園側の思いつきで行われた、生徒会長くじ引き。
智宏は、なんと豪運で当たりくじを引いてしまう!
突然スポットライトを浴びた智宏を、
陽キャも陰キャも噂しだす始末。
引くに引けない智宏は、顧問を頼り仲間集めを開始。
しかし、顧問が挙げてきた役員候補は、
同級生の華乃(かの)から後輩のあすみ、
果ては妹の妃愛(ひより)に至るまで、そもそも学園に来ていない!?
混乱する中、音信不通だった前会長の詩桜(しお)まで現れて……!
――運命か、必然か。
前代未聞・空前絶後、
「くじ引き生徒会長」の戦いが、
今、始まる……!
ハミダシとクリエイティブの要素がどのルートでもうまく使われていて、キャラクターの魅力も引き出されている。シナリオも共通後の失速もなく、ルート後もしっかり感動させてくれる。文句なしのキャラゲーです。
今までやってきたキャラゲーで1番萌えれた。妃愛√を最初にやって少し後悔したため、最後にやるのを推奨。
シナリオは共通、妃愛、詩桜先輩が良かった。共通はちゃんと学園ものしていて久しぶりだったということもあって余計に楽しくなってた。詩桜先輩は人によっては受け付けないかもしれないけども個人的には凄く良かった。妃愛はマジでこの作品随一のキャラです。これだけは絶対に言える。
ヒロインが主人公に助けを求めるという行為は、共通√において主人公がそのヒロインと積極的に関わり、二人の間に信頼関係が芽生えたからこそのものと見ることが出来る。この、”主人公がヒロインと積極的に関わる”ということは選択肢を選ぶことと同義であり、その行為の結果によって個別√へ突入するという構造である。近頃は選択肢がストーリー展開に与える影響が軽視されがちなので、このように選択肢の意義を大切にしてくれる脚本家には敬意を評する。
ヒロインのキャラがいい意味で濃く、テンポのいい日常シーンの会話が面白い。エッチシーンも1キャラに対し多く満足です。最後までヒロイン全員が登場して、ワイワイやっているため、雰囲気は明るめのノリのままで進み、鬱シーンも少なめです。
キャラゲーとしての評価が非常に高くヒロイン一人一人を大切に扱っている印象を受ける。明るい雰囲気のまま進むことでキャラゲーとしてのポテンシャルを上手に引き出したシナリオ構成になっている。エッチシーンに関しても雑ではなくしっかりとエロゲーをしている!という気持ちになれる仕様で剣と盾両方揃えたような仕上がりを見せてくれている。
終盤、恋人になった展開があまりにも雑過ぎて引いた。クリエイティブ要素がほぼ無い上、全くキャラを可愛く見せようとしてない。
なんかオタクの妄想を無理やり具現化したような設定。シナリオ自体も平坦で抑揚がなく、やや退屈。
キャラゲー故のネガティブ評価といったところ。キャラゲーはキャラを好きになれなければ評価がグンと下がる。またシナリオに対しての唐突さが気になるという方もちらほら。
キャラゲーとしての大事な部分をしっかりと詰め込んだ優秀作品。萌え・ラブコメというジャンルで探しているのであれば十分におすすめできる一本となっている。共通ルートからの個別ルートでどのヒロインも「萌え」を感じさせてくれる。雰囲気を確認するためにまずは体験版・デモを確認してからGETすることをおすすめする。体験版で自分の肌に合わないなって方は無理しないように。とはいっても絵タッチで好きか嫌いかは判別できると思うのでそこまで気張らなくても「面白そう」程度の感覚で手に取ってもらえれば十分ハミダシクリエイティブのポテンシャルに触れることはできるだろう。
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ミステリー系シナリオエロゲーの金字塔。エロゲーを知る人ならば1度は名前を聞いたことある人も多いのでしょうか。ミステリー物として本格的に謎解きをしていく今ではちょっと珍しいシステム『基本パート』『探索パート』『捜査パート』『推理パート』の4つのパートで成り立っています。
作品名 | 殻ノ少女 | ||
ブランド | InnocentGrey | ||
原画 | 杉菜水姫 珈琲貴族 | シナリオ | 鈴鹿美弥 |
ジャンル | サイコミステリィAVG | 体験版・デモ | なし |
昭和三十一年、三月。
敗戦から十年が過ぎ、在りし日の姿を取り戻しつつある街、東京。
私立探偵の時坂玲人は、井の頭公園にてひとりの少女から変わった依頼を受ける。
「捜して欲しいんだ。――私を。本当の、ね」
同時期、巷では奇妙な猟奇犯罪が多発していた。
少女ばかりが誘拐され、身体の一部と子宮を切除されて殺される。
警視庁捜査課の魚住は、昔馴染みで元同僚の時坂に事件の調査を依頼する。
保谷町の端にある、私立櫻羽女学院。
時坂の妹紫が通う此処で、女学生がふたり行方不明となっていた。
学院の教頭の佐伯時生は、紫の兄である時坂に捜査を依頼する。
時坂は三つの依頼を同時に受けた。
佐伯の頼みを聞き入れる形で女学生の情報を探る為に櫻羽女学院へ教師として潜入する。
そこで――彼女と再会した。
朽木冬子。私を捜して欲しいと依頼した少女。
彼女は鈴の転がるような声で、少年のような口調で言う。
「やあ――また逢ったね、探偵さん」
犠牲者は増えてゆく。
簡単に思われた女学生の捜査すらままならぬ事態。
行方不明者と身元不明の遺体との数が合わない。
そして新たな犠牲者に選ばれたのは――
終わらぬ惨劇の輪廻。
新たな事件と共に訪れる、六年前の事件の謎とは――?
悲劇だらけの世界の殻を打ち破るのは、少女の微笑みなのかもしれない。
文章もくどくなくて、サクサク進むし、登場人物が多い割に無駄なキャラクターがほとんどいないのも見事。
個人的には被害者の友人キャラとして登場した佐東歩がお気に入りで、探偵助手を志望する彼女になんとも言えず萌えました。普通のゲームなら完全にモブキャラのポジションにいる彼女でさえ、こうした魅力を発見できる。(フラグがクソ面倒臭いものの)イベントの充実した良テキストの本作ならではだと私は思いました。つまりは名作であります。
余計なテキストが無くテンポが良いので没入感は非常に高い。各章のタイトルが乱歩の作品名になっているのも次は何だろうと先を読みたい気にさせられる。EDが複数あり捜査の難易度もまた高い。
独自の旗印を掲げる。萌え要素は一切なし。業界では唯一無二の存在。画風は「荘厳華麗」。その俺自身が一番気に入ったエロゲブランド『イノグレ』の至高なる一作は紛れもなく『殻ノ少女』です。
エロゲーの別名は18禁ゲーム。性的表現が含まれていたり、グロテスクな表現だったりが未成年の成長に影響を与える可能性ある、ってことで18禁とされている。本作は「エロゲー」というよりかは18禁ゲームという言葉の方がしっくりくるような物語に仕上がっている。多くの評価者が世界観に魅了されている。独特の雰囲気を醸し出す絵タッチ、シナリオは唯一無二といっても良いのかもしれない。
CGは綺麗で美しいが、エロシーンは短くて、えっ、このタイミングで?みたいなのが多くてまったく使えなかった。エロゲとしてはどうかと思うが、推理物アドベンチャーとしてはとても楽しめた。
暗い感じのゲーム。鬱やグロ多し。死体のCG結構グロい。でもまあ、このゲームってそういう雰囲気のゲームですからね。
名目上は「エログロ」という分類にも属する本作。グロテスクな表現が作品中に鏤められており苦手な人は苦手ともいえるジャンルである。エロゲーという目線でみるとすれば「エロ」部分は本当におまけ程度なものであり、目的が「エロ」であるならばお門違いな作品ともいえる。
ミステリー系エロゲーとしては唯一無二ともいえる独特な雰囲気を醸し出し多くのプレイヤーを魅了した本作。攻略難易度も決して優しいものではなく攻略サイトを見ないと進めることができないって人もいるかもしれない。体験版は残念ながらないのであるが、本格的なミステリーエログロゲームがやりたいって人には間違いなくおすすめできる一本なので安心してプレイしてほしい。シリーズ化もされておりプレイするならばまずは本作から(細かくいうと本作より前作もあるんだけど)プレイすることをおすすめする。
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本作を皮切りにシナリオゲーを愛するすべてのエロゲー好きから絶大なる支持を得ている名作エロゲーです。名曲と共に魅せる9-nine-の世界。どの作品も作り込まれているのですが、4作品にしたことにより物語への高まり感を演出することにも成功していますね。
作品名 | 9-nine- ここのつここのかここのいろ | ||
ブランド | ぱれっと | ||
原画 | 和泉つばす | シナリオ | かずきふみ |
ジャンル | ここから始まるADV | 体験版・デモ | あり |
白巳津川市。
学園都市であること以外になんの特色もない街。
観光客を呼び込もうと町興しに励んでいるが、どれも不発。
しかし、思わぬ形で世間の注目を集めることになった。
ぶっきらぼうな態度をとりがちだが、責任感が強く行動力のある頼れる青年。新海翔。
なんだかんだ言いながら周りのことを第一に考える優しい性格である。
普通の学生らしい平穏な生活を送っていたが、
白蛇九十九神社に祀られた神器が破損したことをきっかけに、翔の日常に変化が訪れる。
その影に、異能に目覚めた少年少女たちの姿があった。
なんの特色も無い街に住む、
なんの変哲もない平凡な学生のはずだったが。
異能者たちが巻き起こす
数奇な運命に巻き込まれていく……。
都がお嬢様にもかかわらず謙遜し、純真な心遣いが癒される作品。物語としてはしっくりこない終わり方のため、もやっとした気持ちにはなりましたが起承転結の起ということを考えるとよくできていると感じました。
主人公にひたむきな都ちゃんサイコー!!続きが気になるラストでしたね。1作目ということもあり81点、2~4作目の展開に期待です。
実質プロローグにすぎないので正直これだけで評価する意味はありません。4作の1章として判断すると間違いなく名作なのでおすすめではあります。
エロシーンがアニメーションなのはビックリした。スキップするタイミングなかったのが功を成した。主人公の人格はまともかつ等身大。感情移入しやすかった。ヘタレだったり難聴、優柔不断じゃないから好印象。しかも阿部淳。上条当馬。ハーレムじゃないとこもいいね。妹の天はウザかわ系。種崎敦美。はい優勝。声優陣豪華だった。
自分は日常にはない異能系?みたいなのが好きなのでものすごく面白かったです。バットエンドの終わり方が衝撃的でものすごく印象的でした。Hシーンもアニメーションがついておりとてもよかったです。エンディングが終わった後のHシーンはいきなりで驚きましたw
シリーズ第一章。起承転結の「起」の部分ということもあり本作のみで評価するのは野暮な部分もある。声優陣も豪華であり作品への熱意が感じ取られる。ヒロインのキャラクター性も好評であり、「可愛い」という声が多く聴かれる。プロローグとして楽しんでもらいたい。
何の進展もなく話が終わる、担当ヒロインが不憫な出来の1作目。
明らかに続編をやってくださいと言わんばかりの突拍子もない終わり方でモヤモヤした。というか本篇の後半部分は事件の核心部分に全く触れずエッチしてただけだったような・・・。
あと基本的に話がおもしろくなかったりキャラの言動が不快だったりとシナリオライターの技量も微妙に感じました。極めつけは打ち切りエンド、今作では問題は何も解決しません。詐欺ゲーです。
作品全体の評価としても言えるのだが、「続編ありき」の作り方をしている。そのため続編ありきという事を知らずにプレイすると「なんじゃこりゃ」という印象が強い。物語の最初という事を理解していない状況での評価はバッドレビューになるだろう。
シリーズ第一章ということもありプロローグ的な役割をしている本作。9-nine-シリーズが「素晴らしい名作」と言われている事から期待して一作目をプレイすると「期待外れ」感が大きい。だが「次作ありき」ということを念頭においておけばそこまで不満になることもなく、
序章としては「あり」なまとまり方となっている。豪華な声優陣とヒロインのキャラクター性、世界観などを理解してもらえればブランドがプレイヤーに求めていた水準には達していると思われる。逆に言えばシリーズを通してプレイする気がないのであれば9-nine-は手を出さないほうがいいともいえる。
どんなエロゲー?
放課後下校恋愛物語。学園モノの純粋な恋愛美少女ゲーム。正統派といえば分かりやすいのか、ヒロインとの恋愛を楽しむ、それに尽きる作品です。ヒロインと仲良くなっていく段階はまさに疑似恋愛を楽しんでいる!と言っても過言ではないでしょう。
作品名 | 放課後シンデレラ | ||
ブランド | HOOKSOFT | ||
原画 | RINKS | シナリオ | 此ノ花しな 水越ナゴ 川波無人 |
ジャンル | 下校がロマンの純愛学園ADV | 体験版・デモ | あり |
「うわぁ、なんだこりゃあ」
生まれ育った街から引っ越しをして早数年。
久しぶりに戻って来てみれば、街は色々と様変わりをしてしまい全く懐かしさを感じない。
「久しぶり…元気してた?」
そう声を掛けてくれた幼馴染もギャル化していて誰お前状態。
こんな落ち着かない環境のなか、俺(公住清史郎 くずみきよしろう)の新生活は幕を開ける。
同し転校生で下校が好きとかいう変わった女の子に感化され、この期に気持ちをもっとポジティブにしてみると新しい出会いやきっかけが、実は日常のなかにたくさんある事に気付いていった。
「キミ友達居ないんだね 可哀そうに……」 と、
初対面の先輩に嘆かれたり
「先輩、よ……よかったら一緒に帰りませんか?」
と声を掛けられたり、逆に声を掛けてみたり 他校の女の子が校門前で俺を待っていたり 俺が本音で求めていた「彼女がいる学生生活」なんてものも、 きっとこの延長線上にあるんだなと思うと
何だか毎日がドキドキしてきた。
ヒロインとの恋愛過程が手軽に楽しめて、きちんと進展イベントがあって、好きになる工程が考え込まれていて非常に自然。ストーリーが凄く考えられていて、クリックして先を進める気持ちが止まらない。軽快なテンポで流れるように進んでいく。
純愛ゲームとしては最高レベルの出来で文句なしのレベルだった。全てのヒロインがかわいく、どのルートもクオリティーが高く、非常に満足できるゲームだった。純愛モノのラブコメが好きなら強くオススメ出来す作品。
絵からわかる通りヒロインたちは可愛いが声優さんの演技が良いのもあって絵以上に可愛さを感じた。ヒロインが不意打ちをくらって動揺してるシーンなど特に可愛いくてニヤニヤしてました。Hシーンも良かったかな。
どのヒロインも魅力があり、好きになれました!HOOKソフト好きなら満足する作品だと思います。これからも制作の方々には良い作品を期待しております。
雪子先輩シナリオが、「チョロくてへなちょこメンタルでノリがよくて掛け合いも面白いうえにラブラブ」という、自分にどストライクなキャラだったので、非常に楽しく読むことができた。
ストーリーも良いし、キャラも可愛い。お勧めです。
恋愛ゲームというエロゲーの基本の基で制作されたエロゲー。本来の「ヒロインと仲良くなっていく課程」を楽しむことができる。まさに初心者向けなエロゲーともいえる。ヒロインも個性があり、それぞれの持ち味を持っているため「自分にあった彼女」を探すような感覚でエロゲーを楽しんでもらえれば良い。何かが起こるわけでは無いけど、青春の1ページを疑似的に楽しむにはもってこいの優秀エロゲーであることは間違いない。
絵柄や演出は令和なのにノリがエロゲ黎明期みたいなゲキサムで風邪引くかと…序盤1時間でギブ。
展開に強引なところがあるのはいいのですが、キャラの言動に耐え切れず、ギブアップです。
プレイヤー層は今を駆ける若者向け、ではなく。どちらかといえばおっさん向けのエロゲーともいえる。学生時代、こういう経験したかったなぁっといった青春の1ページを思い出すような作りになっているため年齢層によっては肌に合わない可能性がある。
疑似恋愛エロゲーとしての完成度が高く、ヒロインそれぞれの持ち味をしっかりと生かした物語。何かあるわけでは無いんだけど、それが良い。青春の1ページを開くようなそんな感覚でエロゲーを楽しむことができる。体験版ありなので肌にあうかどうかを確認の上プレイしてみてほしい。
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シリアスに全振りしたシリアスゲー。それ故に肌に合う合わないが大きく分かれる作品ともいえます。メインヒロインは4名。ロックされているヒロインもいて、そのヒロインに辿り着くまでに色々な感情が貴方を支配することでしょう。サブヒロインで涙が出るなんて中々ないもんなんですけどね、本作ではサブヒロインでも泣けます。
作品名 | さくら、もゆ。 ―as the Night’s,Reincarnation― | ||
ブランド | FAVORITE | ||
原画 | 司田カズヒロ なつめえり | シナリオ | 漆原雪人 |
ジャンル | 幾千の夜を越え想い繋ぐ、魔法幻想ADV | 体験版・デモ | あり |
──これは‘‘魔法少女’’のための物語だ。
遠い昔。
幾人かの特別な女の子たち──‘‘魔法少女’’が人類の未来を救ったという。
その闘いは熾烈を極めた。
誰もが傷つき。
誰もが泣いて。
誰もが祈った。
ごく当たり前にすぎる‘‘戦いの物語’’がそこにはあった。
しかし……。
傷つき。
泣いて。
祈っても。
少女らは誰に感謝されることもなく。
誰に賞賛されることもなく。
……誰に、知られることもなく。
それでも‘‘戦い’’は、無事に終わった。
‘‘人類の未来を守るための物語’’を、これ以上ないハッピーエンドに導いた。
そしてそれからおよそ十年後の現在。
……春。
さくら咲き乱れる出会いと別れのその季節。
かつて人類の未来を救った少女たちは、今はもう‘‘魔法’’を忘れ──ごくふつうの少女として生きていた。
誰もが当たり前に遭遇する、ごくごくふつうの当たり前な困難に、頭を抱え、迷い、生きる道を探してた。
そんなある日。
さくら舞い散る、春の中。
「……お願いします」
少年、奏大雅は、もうひとつの春と再び出会った──
「お願いします。どうか私を、魔法少女に戻してください」
これは‘‘魔法少女’’のための物語……。
なんかでは、ない。
これは、幸せを探し出すための物語。
これは、あなたの人生のための、物語。
さくらもゆ‘‘夜’’の中……。
もう二度と、君が悲しまなくてもいいように──
さあ、引き金を引け。
たったひとりの君を救うため。
俺は。
俺は何度だって、散りゆくのだと──……
最後までやりきれば耐えきっただけの価値は十二分にあるだけのシナリオです。面白いし泣ける。Trueより千和の評価高い人も居ますがそれも理解出来ます。千和√も良かった。個人的にはあず咲先輩のやつも泣けました。
人によって評価の変わる作品だとは思いますが、それを上回るストーリーがあります。個人的に面白いと思ったのが各√によってプレイヤが一番泣けたシーンが異なる所だと思います。私はちわっこい子の√で最も感動しました。にしても全√のレベルが高いと感じるノベルゲームは、そんなにないのではと思います。
“夜”の世界観、美しくて幻想的で、だけどどこか不穏で、大好き。CGとBGMがあったからこそ表現できた世界観だと思うと、全ての要素が最高だったんやなって。あと、音楽が強すぎたからこそここまで響いたってのは絶対ある。BGMに合わせて鳥肌と涙が……ボーカル曲もどれも最高や。特にさくら、もゆ。のズルすぎる使い方と、輪廻の鳥肌必至の入り方な。
登場人物たちはみんな誰かのことを思って、やさしさや愛をもって願い行動します。それが地獄のような現実を呼び寄せますがそれでもそのやさしさや愛をもって進んでいくそんな人たちのお話です。
自己犠牲・罪悪感がテーマの非常に重いストーリー。しかし自己犠牲を手放しに賛美するのではなく、他に縋るもののない生き物の性として一見美しくも残酷に描かれる。幻想的で美しく残酷な世界観が音楽と美術で鮮明に表現されている。プレイ時間は50時間ほどだった。すべて音声を聞けばもっと長いかもしれない。
音楽と世界観が大変素晴らしい「泣きゲー」である。ストーリーが重くシリアス調で進んでいく為人を選ぶ。「幻想的」という言葉が出てくるように「さくら、もゆ。」には独特の世界観が存在する。それが音楽と重なり合うことでまさに名作へと昇華したと言っても良い。
全体的に登場人物の自己肯定感が異様に低く、このせいで一つの問題に対して堂々巡りの議論が繰り返され、非常にテンポが悪い。何といってもほとんど好きになれる登場人物がいなかった。すべての登場人物の自我が過去のトラウマによってのみ規定されていて、ほとんど自分の意思というのを感じず、ドラマというのを全体的に感じなかった。
文章力がないのは仕方ないとしても、推敲はライターの、あるいは(雇っているとは思えないが)校正の『最低限度』の仕事だ。書いたら書きっぱなしというのは、プロとして失格。弁当を作って、味見もせずに人に出すのか? メシマズヒロインじゃあるまいし。飲食店で、前の人がこぼしていったスープを拭かずに、その席に案内されたら客はどう思う?
癖の強過ぎるテキスト、不安定な時系列、アイキャッチ多用でテンポは非常に悪いのが本当に勿体無い。
全体のシナリオに関しては賛否両論ではあるが、誤字脱字に関して指摘している人も多数見受けられる。またシナリオの長さが相成って「ダレる」という印象も見受けられる。誤字脱字については修正パッチも出ているので問題ないが、お話の長さが肌に合うかどうかも(ダラダラ進行)、評価のポイントともいえる。
泣きゲーとしての評価が高く、音楽と幻想的なシリアス調の物語がプレイヤーの感情を掻き立てるエロゲーである。お話が長く人によっては「ダレる」印象を受けるのも事実。まずは体験版・デモムービーを見ていただき、さくら、もゆ。の世界観が気になる、肌に合いそう、泣きたいっと言う方におすすめしたいエロゲとなっている。
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恋と青春の科学冒険ファンタジー。ちなみにアペイリアは主人公が偶然開発した強い人工知能(AI)。よくあるタイムループ物のその先を行くシナリオ設定。物語が壮大であるにも関わらず回収もしっかりとされておりまとまりを感じることができます。個人的にはやはりアペイリア!可愛すぎます。この可愛さは久々のドストライクな人も多いのではないでしょうか。
作品名 | 景の海のアペイリア | ||
ブランド | シルキーズプラスDOLCE | ||
原画 | いつい | シナリオ | 範乃秋晴 |
ジャンル | 恋と青春の科学冒険ファンタジーADV | 体験版・デモ | あり |
名前も顔も居場所も知らない。
実在するかさえわからない。
お前を必ず見つけ出す――
『このメールは未来から送信されている』
2045年冬。
双葉学園萌えるAI研究会に所属する桐島零一は、
偶然にも自我のある人工知能アペイリアの開発に成功する。
触れてみたい、とパソコンの中の彼女が言う。
零一はAI研究会の部員たちと共に、デジタルの彼女に触れる方法を模索する。
そしてアペイリアの機能を使い、完全没入型VRMMO【セカンド】を作った。
剣と魔法、科学の融合したその仮想世界は第二の現実で、
彼らは馬鹿騒ぎをしながら冒険を始める。
だが、【セカンド】は制御の利かない危険なゲームだった。
仮想世界に囚われたアペイリアを救うため、
零一たちは命懸けでログインするのだが……
自我を持った人工知能と
彼女を開発した零一。
そしてその仲間たちが贈る、
恋と青春の科学冒険ファンタジー。
――やがて彼は、一つの仮説に辿り着く。
アペイリアを奪おうとしている、何者かの存在に。
自分が一番印象に残ったのは、未来の意識は過去の意識に干渉するという部分です。文字だけ見るとそんなことありえるのか?と思いますが、作中では意識とは量子であり、量子は時間を超えて別の量子に干渉する(量子テレポーテーション)という説明がされていました。この量子力学的説明に納得できるかはともかく、作中での使われ方がとても好きです。
ラストは弱いもののやりたいこと、私たちに伝えたいことはその手前までで十分に伝えられていたと思います。そのため総じて名作と呼ぶには十分なほどの驚きを提供してくれたと思います。作品自体は仮説を立て間違っていたら修正。合うまで確かめるという試行錯誤。理科の実験でよく見かける構図をエロゲに落とし込んだのは見事というしか他ない。
評判がよく、SF好きなのでプレイしたがいままでプレイした作品でも1,2を争うレベルのゲームだった。SF要素は難解で理解できないところも多かったが、整合性が上手く取れていてよかったと思う。恋愛ゲームとしても三羽ルートの観覧車のシーンやましろルートのジェットコースターのシーンなどいいシーンが多かった。久遠ルートだけ恋愛描写が拙かったのが少し気になるところではあった。一番の魅力はやはり主人公だろう。
多くの伏線。その全てを、回収したエンディング。無意味な文章や、描写は殆どなく。起伏がなされ、楽しめる物語でした。退屈をしない。読者を楽しませる。物語として、とても素敵な作品だったと、私は思います。
主人公とシンカーの頭脳戦がおもしろい。仮面の正体を暴くべくダウトゲームをするのだが、まさかギャルゲーで30分以上も論理的な文章を読まされるとは。話についてくのに必死です….。凡人と賢人の頭の出来は違うのだと思い知らされる。
理科的要素を多く取り込んだ本作。中2病のその先にある科学×エロゲーのコラボレーションが大変心地よいエロゲーである。
シモネタもふんだんに取り入れられている事で日常会話から楽しい。それでいて壮大な物語と伏線回収も見事としかいいようがない。
まさに「SF」好きには堪らないSFゲーといったところだろうか。難しい用語も多く出てはくるものの丁寧に丁寧にシナリオが構築されている。
一つ一つ薀蓄のように丁寧に勧めるため非常にテンポが悪いことこの上ない。なのでここで好き嫌いが分かれる。丁寧かつテンポがいいのが理想ではあるがこちらはテンポを完全に切り取っているという程なので私には合わなかった。
シナリオは正直退屈さを極めて序盤は面白いのですが、シナリオの根幹の部分がSFにあるだけに、説明文章が長々と書かれていて、途中で眠くなります。
要はSFゲーが肌にあうか合わないかの部分である。シナリオ自体は面白いのだけど、SFなために用語や世界観もそちらに寄ってくるわけだ。好き嫌いは分かれる作品であるかもしれない。
至高ののSFゲーとして名作の部類に入るエロゲ-である。シナリオが練りに練って作られており、そのすべての謎・伏線が解き明かされていく爽快感は大変心地が良い。
物語を彩る主人公・ヒロインのキャラクター性も大変よく、景の海のアペイリアに没入すること間違いなしだろう。体験版・デモムービー共にあるのでまずはそちらで雰囲気確認をしてみると良い。
どんなエロゲー?
2020年を生きる主人公が桜の木の下から100年前の大正浪漫が薫る時代へタイムスリップすることから物語がはじまります。探偵事務所のメンバーとなった主人公に自分を投影し、一緒に謎を解決していくワクワク感はより一層「さくらの雲*スカアレットの恋」の世界観に没入することのできる要因ともいえます。プレイし始めればきっとエンディングまで駆け抜けたくなる気持ちになり、そしてエンディングでは心にスカっと晴れた気持ちとそこからくる寂しさが全身を包むことになるでしょう。
作品名 | さくらの雲*スカアレットの恋 | ||
ブランド | きゃべつそふと | ||
原画 | 梱枝りこ | シナリオ | 冬茜トム |
ジャンル | 100年の時を超えるミステリイADV | 体験版・デモ | あり |
2020年に生きる青年・風見司は、桜の木の下から100年前へタイムスリップを遂げてしまった。
――帝都・東京。
そこは新時代への希望に満ち、文化の華が咲き乱れた、輝かしき浪漫の都。
「初歩だよ、司。最後に残ったものが真実なんだ」
そんな帝都でひとり探偵事務所を営む謎の英国女性・所長。
日々金欠にあえぐ彼女のもとで、司は数々の事件に巻き込まれていき……?
枝分かれする彼の運命がたどり着くのは、果たして令和か大正か。
100年の時を超え──
今ここに、桜舞うレトロ・ミステリイの幕が開ける!
現実と物語の中で名称がちょっと違うことなんてよくあるし、読んでてそんな気にならなかったりはするんですよね。
なので、こういうトリックはほんとにびっくりしました。冬茜トムさんすげぇ。
めちゃくちゃ面白いし、あれってそういうことだったの!?大正っていう時代は素敵だけど、100年っていう設定が良い意味でも悪い意味でも効いてたかなぁっていう感じ。
最終的に「桜雲」ではない「令和」の歴史になることに関して、そのギミック自体は胸が熱くなるのは認めるところではあるが、令和を生きる我々としては「レベッカが尽力していたならもっと美しい歴史になっても良かったのではないか」と思い残念に感じるところもあった。
めっちゃ面白かった……。
各ルートで品を変えて、情報小出しにして、ほんと飽きさせない。からの全部持ってく所長√、鳥肌と涙止まらなかった。伏線、ミスリード、世界観設定、全部ライターの手のひらの上だなぁ。話の締め方もすごい刺さった。きれいだけど切なくて、余韻。
最初は大正時代へタイムスリップからの現代の知識を生かして、未来人無双がはじまるのかと思ったのですが全然違いました。
いや、正確にはそういう側面もあるのですがそれを含めてもとても濃い内容で、また至る所にフラグを散りばめているのでルート終盤のすべてがかみ合ったときの鳥肌が半端ないです。
ストーリーがすごすぎる反面、Hシーンはおまけみたいなものなのでそこはまぁ閑話休題みたいなものですね。
この作品は探偵ものであるからプレイヤーが積極的に推理に挑戦するのも楽しいとは思うが、私としてはライターのテクニカルさに余すことなく翻弄されるのが一番だと思う。何か難解な哲学やら抽象的なイデオロギーが登場するわけではない。まさに推理小説を読み進めるが如く、心地好い痛快さと驚きを存分に楽しめる。ギャルゲーとして、魅力溢れるキャラクターとのロマンスも見せてくれる。
後半になるにつれて盛り上がりを魅せる探偵系ミステリーエロゲー。各ルートでちりばめられた伏線が1つに繋がっていく爽快感。驚き。そして泣きゲーとしての切なさが詰まったエロゲーとなっている。
プレイ終了後に「余韻」に浸れるエロゲーとしておすすめしたい。ミステリー小説を読み進めるあのドキドキわくわく感にヒロインとの関係性から「泣き」を体験しよう。
こういう風にタイムパラドックスだの平行世界だのを扱いながら、整合性を完璧に取ろうという感じではなかったから、なんだかなぁとは思う。最後主人公はもとの記憶を保持したまま新未来に飛んでるわけで、それって、どういうこと?って考えたり。まぁ、細かいこと気にしちゃだめだよね。
過去作のさいの頃やアメグレほどの期待値をしょいこんでしまった作品。残念ながら最後まで読んでみると、あれらほどの後頭部をガツンと殴られたような伏線回収や叙述トリックは見えなかった。
冬茜トム氏の過去作との比較する人が多く、そういった意味で「良い」部分と「悪い」部分が個人個人にあったといった所。シナリオ自体の細かい部分を気にする方もいるため「完璧」とはいえないシナリオ構成となっている、という印象も受ける。期待値が高かった作品故に「期待値を超えることのできなかった」という言葉がしっくりくるかもしれない。
ミステリー系エロゲーとしての読み応えも十分あり泣きゲーとしても優秀な部類に属しているといえる。各ルートからの伏線回収は見事としかいいようがなく、さすが冬茜トム氏ともいえる。
反面、期待値が高かった作品故に期待値以上の作品ではなかったという意見もある。過去作との比較もされており純粋に本作のみでの評価がされないことも「しょうがない」といえばしょうがない。
体験版あり。まずは雰囲気・世界観が肌に合うか確認してからどうぞ。DL版ではボイスドラマも収録された特別版もある。正直ボイスドラマ版込みでの購入をおすすめする。
余韻に浸れるエロゲーとして、プレイ終了後はきっと聴きたくなるに違いない。とはいってもそこは各々の判断でどうぞ。
どんなエロゲー?
「愛憎」というテーマで作られたちょっと重い内容のエロゲー。特に妹モノ好きの人にとっては受け入れられない現実に心を痛めてしまうかもしれません。それ故に人を選ぶ作品ともいえますが、ストーリー構成や伏線回収などがしっかりと構築されており、演劇という舞台を通して人の「愛憎」模様をこれでもかという程に魅せつけてくれます。そんな感情を受け切る事ができるかどうか…万人受けはせずとも心には確実に残る内容となっています。
作品名 | 冥契のルペルカリア | ||
ブランド | ウグイスカグラ | ||
原画 | 桐葉 | シナリオ | ルクル |
ジャンル | ADV | 体験版・デモ | あり |
「神々と肩を並べるには、たった一つのやり方しかない。神々と同じように、残酷になることだ」Salvador Dali
若くしてこの世を去った天才女優。
ある種の伝説的な存在となった彼女は、壮絶なる演劇の果てに一つの真実を得た。
月日は経過し、春が訪れる。
主人公・瀬和環は、新入生歓迎会にてとある演目を目にすることになる。
「劇団ランビリスへようこそ!」
ゲリラ的に開催された、学生劇団による突発公演。
かつて、天才子役としてデビューしながら、演劇の道を断った主人公は、懐かしい思い出に駆られていた。
「ちょっと、見に行こうぜ」
野次馬根性から始まる、不条理の物語。
幕を開けた物語は、終わりを迎えるまで止まることはないのだろう。
芝居を愛する天然少女、架橋琥珀。
演劇の申し子、匂宮めぐり。
人気急上昇中のネットアイドル、天使奈々。
役者を諦めた裏方少女、箱鳥理世。
「最高の演劇にしよう!」
彼らが掲げるは、北欧神話をモチーフとした舞台’フィリア’公演。
まばゆいスポットライトを浴びながら、物語の上で踊る彼女らは美しい。
白髪赤目が導いてくれる。
君にとっての、都合のいい結末を――。
この物語では主人公はどちらかというと裏方の役割が多く、メインはヒロインやサブキャラクターたちの物語の方が多いです。何なら主人公にはコンプレックスがあってまともに演劇が出来ません。それでも演劇に関わろうとする環君ですが、やはり努力ではどうにもならない不条理や世の中の非情さに辛くなってきます。しかしそれを含めて作品ですので自分と重ねるのも大事ですが観測者として遊んで欲しいかなと思います。
このシナリオは様々な古典から借りてきているものが多く、読み解くのが大変である。最初に演じられる『ハムレット』はきっと、劇団ランビリスのストーリーを読み解くのに必須だろう。フィリア公演は『マクベス』と「北欧神話」を合わせたようなもの。各キャラクターのストーリーにあてがわれた役の物語が呼応する。天使奈々菜√では『テンペスト』が入り込み、匂宮めぐり√では『星の王子様』と宮沢賢治の作品が響き渡る。そして、瀬和未来の『カリギュラ』。不条理演劇故に、作品の持つテーマと密接に関わっている。
虚構世界で自信と自らの軸を獲得したヒロインたちが、それぞれ現実に立ち向かう様も物語を終えるためのプロット通りに立ち直っているだけの操り人形のように見えてしまって・・・かろうじて全員生き残ったヒロインたちが前へと歩み始めるラストを(いつの間にかめぐりが主人公みたい!)。遠くから冷めた感情で見つめる、寂しい読了となってしまいました。この作品をプレイして、演技をちゃんと聴かないのは本当にもったいない。萌えゲーではありませんが、完全に声ゲーです。
私はかなり引き込まれたが、本心を描いた黒い描写が多く、かなり敷居の高い作品であることは間違いがない。声優の迫真の演技にかなり引き込まれる。作中の演劇の演技はすごかった。どこぞの誰の感想でもないが、本当に「すごい」としか言えない。
作品内には文学や詩からの引用も多く、ライターさんの文章力も加わり、知的で幻想的な世界が描かれています。全体を通してままならぬ世界で辛い経験をしても懸命に生きようとするヒロイン達の姿には胸打たれました。是非プレイしてもらいたい作品です。
シナリオが良いという意味では本作を超えるエロゲはなかなか存在しないのではないだろうか。シナリオを構築する上での知識量を遺憾なく発揮されたシナリオライターのルクル氏は素晴らしい、そして天才的だとしか言いようがない。
そのくらい「作り込まれたシナリオ」がプレイヤーを魅了しているのである。そしてもう1つは声優陣の「熱意」を感じさせる事。萌え風味なタッチで見せる点は「萌えゲー」として捉えがちではあるが中身・本質は「演技」による「声ゲー」ともいえる。
エロゲーだからといって舐めないで欲しい。声優としてプロとしての魂を感じることのできる名作である。
全体を通してみてみると、ただ単に暗いだけだったなという感想。個別√の結論ありきのあからさまな展開と短さは物語を放棄しているように思えた。
感覚としては、アニメギルティクラウン最終回がコードギアスオマージュになってしまい、その後の展開どころか作品そのものへの興味興奮が失せてしまった状況ととても良く似てました。
ダークな妹モノ。共通√はいまいち。共通√は不満を覚えることも多い。個別√も心理描写の割合が多く話自体に動きが少ない。
本作を表面でのみ見れば「萌え系」「妹ゲー」という分類になるかもしれない。が、中身は「ダーク」「鬱」という表現がふさわしいくらいに「暗い」物語ともいえる。
そういった意味では正直「人を選ぶ」ともいえるだろう。期待していた「萌え」「妹」があるとすればその期待とは逆の方向へと感情が行くことが予想される。
展開としては正直万人受けするか怪しいくらいに「暗く」「鬱」な展開をみせつけてくる。それを良しとするか無理であるかはプレイヤーの「好み」の部分ともいえるのでなんともいえない。
ただしシナリオ展開、世界観は紛れもなく練りに練り込まれたエロゲであり、苦手でないのであれば一気に「冥契のルペルカリア」の世界に引き込まれることだろう。体験版もあるのでまずはそちらで肌さわりを確認するのが一番かなっと思う。
もちろんプレイする際は「音声あり」でプレイしてほしい。
どんなエロゲー?
タイトルからプレイヤーを惹きつける涙あり、笑いありの神ゲー。面白半分で手に取る人も多かった本作ですが、プレイをはじめると中身はただのバカゲーではなく、しっかりとした物語の構成とキャラクター、そしてシリアスに魂を熱くさせる展開が待っています。テキストの内容でいえば「下品」という言葉が合うのかもしれません。下ネタ満載でお送りしているからです。ただ下品の中に熱く燃える魂を感じるのが本作「ぬきたし」の特徴ともいえるでしょう。
作品名 | 抜きゲーみたいな島に住んでる貧乳はどうすりゃいいですか? | ||
ブランド | Qruppo | ||
原画 | 浮丸つぼね 如月千幸 | シナリオ | 倉骨治人 神近ゆう |
ジャンル | ADV | 体験版・デモ | あり |
青藍島……通称『ドスケベ条例』によって変態的交尾が許可されている楽園(パラダイス)。
しかしそこにもたしかに、セックスを忌避する人間たちは存在していた。
同性が好きで、兄以外の異性を受け入れられない妹。
ビッチだと勘違いされているギャル同級生。
小さくて条例対象年齢外だと勘違いされている先輩。
自分の身体を晒すことに抵抗のある少女。
そして自分のある一部に強いコンプレックスを持った少年。
そんな少女たちを主人公ーー橘淳之介は密かに糾合していき、
【反交尾勢力】を標榜する秘密結社【NLNS】を結成する。
彼らに秘密基地を提供し、資金を渡す【謎の老人】が出した条件は、ただひとつ。
「とある少女を見つけ出し、保護すること」
その少女こそが、ドスケベ条例を崩壊させるための鍵だという。
ならば、成すべきことはひとつ。
SHOを欺いて貞操を守り抜き、件の少女を探し出す。
そして――
「――この俺が、ドスケベ条例をぶっ潰す!!」
下ネタは言うまでもなく、センスが良いものばかりでおもろい。キャラ同士の会話もクスッとなるもの多くテンポよく進む。まじでだるくない。って良かった。下ネタ嫌いじゃないならやった方がいいかな。
最初から最高潮のテンション(そこが素晴らしい出来ではある)なんだけど、そのテンションを維持したままじっくり、じわじわと、凄く丁寧に物語が進んでいって、「そういうことだったのかぁ…」とじんわりさせられてエンドを迎えるから、瞬間的な驚き、盛り上がりに欠けるかなぁという点でも、教科書みたいだな、お手本のような作品だなと思うのかもしれない。
キャラクターの描写がとてもいい。「飽きないテキスト」という点に於いては右に出るブランドはない。非処女のキャラクターがこんなに愛されるキャラクターになるなんで誰が思った。NLNS、SS、どちらも魅力的なキャラクターがいっぱい。
かなり神でした。音楽もよいしシナリオもかなり練られており最後までぶっ続けでプレイしてしまいました。特に気に入ったのはキャラクターです。ひとりひとりのキャラが練られていてメインはもちろんサブヒロインもすべて魅力的でした。タイトルやYouTubeに載っている動画でバカゲーだとか思っている人も多いと思いますがこれは泣きゲーです。(ひとつのルートはバカゲーです)ぜひご購入していただきたいです。
キャラクターが魅力的で、男性キャラにも一応魅力があるので主人公に不快感や嫌悪感を抱くことなくプレイできました。総プレイ時間は、計測していなかったのでわかりかねますが、週40時間ほど働いている身でも3日以内に1つのENDを見れました。youtubeに没シナリオ等が上がっているので、どういった雰囲気なのかはそれを見るとなんとなくわかると思います。パロネタ(多い)や淫語(やばい)のせいで爆笑できたりするのでシナリオのクオリティ的には満足なのでおすすめです。
今までこの手のADV的なテキストを読み進めるタイプのゲームを購入しプレイしたことがなく初めてエロゲなるものに触れたが、控えめに言って非の打ち所がないがないなと感じた。「笑いあり、涙あり」をこんなに体系的に表現した作品はないだろう。正直笑い過ぎて腹筋が壊れたので訴訟しようかなとも思ったくらい笑ってしまった。
プレイした人からは「シナリオがいい」という声が多数寄せられている。このことから「シナリオゲー」としての質は十分に評価できる内容となっている。
それに付属するモノとしては「シモネタ」というワードがちらほら出てくる。シモネタ自体好き嫌いで語るモノではないと思うのだが(好きではなくても嫌いって人いないんじゃない?)このシモネタ自体も作風に合っており評価されているという点が特徴ともいえる。タイトルから「抜きゲー」を連想させるがまぎれもなく「シナリオゲー」である。もっと細分化するとするならば「バカゲー」という立ち位置に君臨する名作エロゲーといえるだろう。
主人公の仲間が増えたせいで隠密行動し辛くなったとか作戦ミスの言い訳がひどすぎる。困ると寝技を使う主人公がブレすぎていて読むのが苦痛すぎる。ドスケベを否定してるのに戦闘での勝ち筋がドスケベしかなくて開き直って使うのがすっきりしない。
あちこちで孕めオラア!とやっている彼らは、実際子供ができたら父親役になるのか、どうやって本当の父親を判別するのか、ゆきずりの観光客が相手だったらどうするのか。特定の相手を作るのはタブーなのだから、複数の子を持つシングルマザーが多そう。そのへんの経済的人手的な問題は行政が保障してくれるのだろうか。
キャラクターが自分の肌に合わなかったという人や「バカゲー」をバカゲーとして楽しむ事ができず、現実世界の問題として考えてしまったプレイヤーには酷評があった。バカゲーとしてのノリを楽しむ事ができないのであれば、本作「抜きゲーみたいな島に住んでる貧乳はどうすりゃいいですか?」は間違いなく肌に合わないだろう。
究極のバカゲーを探しているって人であるならば間違いなくおすすめできる一本となっている。シナリオの回し方も優秀で楽しい時間を過ごすことが約束されている。一見抜きゲーのような雰囲気を醸し出したタイトルから想像もできない「バカ」で「熱い」世界が貴方の心を躍らせることだろう。ただ逆にいえば「バカゲー」を望まない人にとっては魅力的ではないともいえる。バカゲー・シモネタOKで繰り広げられる展開を2次元コンテンツとして楽しむ事のできる人にとって、これほどまでにおすすめできるエロゲはないだろう。
]]>どんなエロゲー?
3つのオムニバス形式で進められる物語が繋ぎあい、1つの大きな物語となる本作「白昼夢の青写真」。名曲と共にプレイヤーの心に突き刺さる世界観はプレイした人にしか体験できない感動を味わうことになります。稀代の名作「泣きゲー」として今もなお多くの人に語り継がれている優秀作品です。
作品名 | 白昼夢の青写真 | ||
ブランド | Laplacian | ||
原画 | ぺれっと 霜降 | シナリオ | 緒乃ワサビ |
ジャンル | ADV | 体験版・デモ | あり |
人類は同じ夢を見るようになった。
ある晩は、女生徒と教師の不倫の物語であり――
ある晩は、劇作家と女優の身分を超えた恋物語――
またある晩は、不登校の少年と教育実習生の淡い初恋――
3種類の夢を、人類は繰り返し見るようになった。
何故、全人類が同じ夢を見つづけるのか。
これは、世界と呼ばれた一人の少女の物語。
ゲーム後半は伏線を回収しながら感動的なシーンが多かったのでCGの力も相俟って終始鳥肌が立ちながら泣いてしまっていました。特に後半は大半のシーン泣いてた気がするのでどこも大体好きです。
1から3の話を通して、全てが夜凪の人生の中で関わってきたもの、感情がこの物語を作ってるのだと思うと、キラキラした話も苦い話も受け止めたいと思えた。CASE0は真実に近づく面白さの他に、SF小説っぽさを感じたのでその辺りの本も読んでみたいと思わされた。
CASE1~3に関わるすべての伏線が怒涛のようにCASE0で回収されていきます。過去話、現在の話、その後と続いていくのですが話の構成が上手くここで全体の辻褄があっていくのが気持ちいいです。一部ショッキングなシーンもあるのでお気を付けください。この作品はHシーンが絶対に欲しいってタイプではありません。
意図してはじめた訳では無いですが、表題の様に最初から最後までプレイし続けました。念のため書いておきますが、通常私が12時間以上ゲームをする事はありません。それほどこの作品に引き込まれました。30時間というのは、所々噛みしめる様に読み進めたり、悲しすぎて次のシーンへ進め無い等、心を揺さぶられていたのでこれ程時間が掛かったと思います。
アダルトゲームに興味ないよという人にも男女問わずおすすめしたい。変な先入観を持ってほしくないため本レビューでは内容に触れないが、終盤は怒涛の展開であるため十分に時間を確保し、翌日に響いても問題ないよう備えてエンディングを迎えることをお勧めする。
物語が単純に面白かったのは勿論です。しかしそれ以上に途中の展開があまりにも辛すぎて、心が痛くて、先の展開を見ないと他のことが何も手につかなくなるくらいの強烈な寂寥感に襲われ、気づけば有給申請する自分がいました。特にCASE-0(本筋)です。「あ、そこまでやるんだ・・・」と。人間の尊厳について考えさせられましたね。
CASE1~3からのCASE-0での伏線回収。特にCASE-0の評価がとても高い。「泣いた」「感動した」という言葉も多く、ジャンルとしては泣きゲーという分類になる。プレイをはじめると止めることができない事から「シナリオ構成」の完成度も高いといえる。絵タッチ・音楽に関しても評価が高く白昼夢の青写真の世界観とマッチしている。
物語全体を通してみても予想の範疇で綺麗に収まってしまいカタルシスが感じられなかった。良くも悪くも王道であるため100点連発するほどの作品かというと首を捻らざるを得ない。
CASE1~3は中途半端なエンド、CASE0は設定もストーリーもヘタクソ。
やはりエロゲーに万人受けするものはない、といったところか。泣きゲーというジャンルということもあり「泣けなかった」という人であれば評価も下がってしまう。また過度な期待を持つことで評価基準が高くなってしまった、というケースも見受けられる。
まごうことなき名作でありエロゲーとして発売された後、未成年でも楽しめるよう全年齢版まで発売された。俗にいう「泣きゲー」の代表格ともいえるべき作品である。オムニバス形式で見せる作風は一風変わっているようにも見えるが、プレイを進めることで明かされる「伏線」に心を滾らせてくれるだろう。ポジティブレビューで目立つワードとしては「感動」「泣いた」といった感情を揺さぶられたという表現。逆にネガティブレビューでは「中途半端」「雑な部分がある」などといった声も聴かれる。ただ、プレイするにあたり執拗な期待感を持ってプレイしたことにより「期待を越えなかった」という意味合いにも捉えることができる。
体験版・デモムービーともにDL販売サイトで手に入れることが可能であるため、そちらで雰囲気を確認するのも1つの手。もちろん全年齢版をプレイするというのも間違えではない。「泣けるエロゲー」を探しているのであれば是非プレイをおすすめする一本となっている。